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C型肝炎について
 自覚症状は認めないことが多いです。C型肝炎ウイルスのゲノタイプ(ウイルスの型)は、我が国では主に1b、2a、2bに分かれます。頻度は、それぞれ70%、20%、10%です。ゲノタイプ測定は保険適用がないため、通常はセロタイプを測定します。ゲノタイプ1bがセロタイプ1、ゲノタイプ2a、2bがセロタイプ2となります。ウイルスの種類による肝硬変への進展や肝がんの合併率には差は認めませんが、治療法が異なります。
1.直接型抗ウイルス剤(飲み薬)
 近年は、インターフェロンを使わない飲み薬による治療が主流です。2014年9月からセロタイプ1型に対して、ダクラタスビル+アスナプレビル(ダクルインザ+スンベプラカプセル)が認可されました。治療期間は24週間で、完治率は85%でした。副作用は軽く、鼻咽頭炎が30%、頭痛・発熱がそれぞれ15%・12%でありましたが、その程度はかなり軽いものです。

 唯一の問題となる副作用は、ALT値上昇が15%ほどみられることです。ALT値が300 IU/l以上に上昇するような症例では、中止が必要です。また一方で、薬剤耐性ウイルスをもともと持っている患者もおり、それらの患者では治療効果が低い(約40%)ので、治療前に薬剤耐性(NS5A部位のY93変異やL31変異)を測定しておきます。

 2015年には、さらに治療効果の高い治療薬が認可されました。ソフォスブビルという薬ですが、作用機序の特徴としてウイルスの遺伝子の鎖が増えていくのを直接停止します。セロタイプ1型では、レディパスビルと併用(ハーボニー配合錠)、セロタイプ 2型では、リバビリンと併用します。ソフォスブビルは腎代謝であるため、腎臓が悪い人や透析の方では禁忌となっています。またソフォスブビル+レディパスビルは重たい不整脈をもった患者さんでは注意が必要です。セロタイプ1型に対するソフォスブビル+レディパスビル(治療期間は12週)の治験では、171例に投与され全例完治という素晴らしい成績でした。発売後の実際の完治率は98%くらいです。副作用も総じて軽く、鼻咽頭炎が3割程度でみられるが程度は軽いようです。また頭痛も数%にありますが、軽度であり、痛み止めで簡単に対応可能です。2015年11月にはオムビタスビル+パリタプレビル併用療法(ヴィキラックス)が認可されました。これはダクラタスビル+アスナプレビルと同系統の薬剤ですが、こちらは12週間投与であり、ALT上昇などの副作用も少ないとされています。またウイルスの耐性変異がなければ99%の完治率であります。注意点としては高血圧薬のカルシウムブロッカーを投与している例では浮腫や低血圧をきたすことがあります。2016年11月には、エルバスビル+グラゾプレビル併用療法が認可されました。これもヴィキラックスと同系統の薬で12週投与ですが、耐性変異がなければ98.6%の完治率で、耐性変異があっても93%の高い完治率が得られます。またカルシウムブロッカー投与例でも問題ありません。2017年2月には、ダクラタスビル+アスナプレビル+ベクラブビルの3つの薬を用いた治療が認可されました。3つの組み合わせた治療法は、本邦初で、治療効果も非常に高く、治療を中止しなければ(4週以上治療すれば)ほぼ100%の完治率です。しかし黄疸やALT値の上昇が副作用としてあり、治療を中止しなければならない例もあります。肝臓専門医による治療が必要と考えられます。

 一方、セロタイプ 2型に対してはソフォスブビル(ソバルディ)とリバビリン(治療期間は12週)が認可されました。治験では97%の完治率でした。副作用としては、リバビリンによる貧血が最も問題となりますので、治療前に貧血がある例では貧血を治療してから開始したほうがよいでしょう。貧血以外では鼻咽頭炎や頭痛、消化器症状などがありますが軽いようです。またヴィキラックスとリバビリン療法も認可され、治療期間は16週です。ゲノタイプ2aでの治療効果は94%と高いですが、ゲノタイプ2bでは、70%ですので、ゲノタイプを測定してから(保険未収載)の治療が望まれます。

 このように治療法や治療効果は飛躍的に上がりました。薬剤費については非常に高価ですが、従来のインターフェロン治療と同様に、医療費助成制度があり、これを申請すると月1万円もしくは2万円(高額所得者)で治療をうけることができます。申請するためには肝臓専門医もしくは肝臓専門医と連携できることが必要です。
2.インターフェロン治療法
 C型慢性肝炎の治療法は、前述のウイルスのセロタイプとウイルス量(HCV RNA)によって治療法が決まります。ウイルス量が少ない場合は、セロタイプに関係なくインターフェロンあるいはペグインターフェロン単独治療になります。ウイルス量が多い場合は、ウイルスの種類により治療方法と治療期間は異なります。1型の場合は、ペグインターフェロン、リバビリン、テラプレビルもしくはシメプレビルもしくはバニプレビルを併用します。この治療法により約90%の方が治癒します。一方、2型の高ウイルス量の場合は、ペグインターフェロンとリバビリン併用療法を半年間行います。この治療により約80%の方は肝炎が治癒します。
インターフェロンの治療効果の予測と副作用
 インターフェロンの治療効果を予測する条件として、ウイルス側と患者さん側の条件に分かれます。治療効果が高いウイルス側の条件は、ウイルス量が少ない、ウイルスの種類が2型、ウイルスの変異などがあります。一方、患者さん側では、血液検査で行う人の遺伝子検査IL28B(アイ・エル・28・ビー) があります(保険適用外)。人の19番染色体のIL28B遺伝子の種類によりインターフェロンの治療効果が異なることが明らかとなりました。インターフェロンの副作用として、投与開始の初期には悪寒、発熱、関節痛、頭痛、全身倦怠感などのインフルエンザ様症状が出現します。また、注射部位の搔痒や発赤などが出現します。血液検査では、白血球や血小板減少、また、リバビリンによる溶血性貧血が起こります。気をつける副作用として、間質性肺炎とうつ病があります。空咳や息切れが出現した時には間質性肺炎を、不眠やいらいら感が強い時は、うつ病の合併の鑑別が必要となります。

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